Friday, May 13, 2011, 11:37 PM - 所得税
法人に対して、譲渡所得の基因となる資産の譲渡の時における時価の２分の１に満たない金額で、その資産の権利等の移転があった場合には、その事由が生じた時における時価によりその資産の譲渡があったものとみなされる（所法59�‘鵝⊇衫�169）。
※同族会社に対して時価より低い対価により譲渡所得の基因となる資産の譲渡があった場合には、たとえその対価の額がその資産の時価の２分の１以上であっても、同族会社の行為計算否認規（所法157）により、時価により譲渡があったものとして譲渡所得課税が行われることがある（所基通59-３）。
その資産を譲り受けた法人は、譲受価額と時価との差額は受贈益として益金算入される（法人税法22�◆法�
財産を譲り受けた法人が同族会社で、財産を著しく低い価額の対価で譲り受けたことにより、株式の価額が増加した場合には、その増加した部分は財産を譲渡した者から他の株主等に対し譲渡があったものとみなされる（相法９、相基通９-２）。
| このエントリーのURL |
( 3 / 3273 )Wednesday, April 20, 2011, 02:12 AM - 所得税
固定資産の交換の特例は、次のすべての要件に該当する場合に適用がある（所法58）。
１．交換によって譲渡する固定資産（以下「譲渡資産」という。）と交換によって取得する固定資産（以下「取得資産」という。）が、土地、建物、機械および装置、船舶または鉱業権であり、かつ、いずれもが、相互に「同種類の固定資産」であること。
※� 崙閏鑪爐慮把蟷饂此廚箸蓮△燭箸┐佚效呂氾效蓮�土地と借地権、建物と建物である場合をいう。
※�◆峺把蟷饂此廚箸蓮△燭焚兄饂此覆海譴暴爐困觧饂困魎泙燹�）以外の土地、建物、機械および装置、船舶ならびに鉱業権をいう。
※�７�物に附属する設備および構築物は、その建物と一体となって交換される場合に限って建物として交換の特例の適用があるので、建物に附属する設備または構築物は、それぞれ単独では交換の特例の適用は受けられない（所基通５８ー３）。
２．譲渡資産も取得資産も、それぞれの所有者がともに１年以上所有していた固定資産であり、交換の相手方が所有していた資産は交換の目的で取得したものでないこと。
３．取得資産を譲渡資産の譲渡直前の用途と「同一の用途」に供すること。
譲渡直前の用途と同一の用途に供するとは、次に掲げる資産の種類と用途の区分に応じ、取得資産を譲渡資産と同じ用途に供することをいう（所基通５８ー６）。（譲渡資産が宅地である場合には、取得資産も宅地 ）
（ 資産の種類） （用途の区分）
イ 土地 宅地
田畑
鉱泉地
池沼
山林
牧場または原野
その他の区分
ロ 建物 居住用（従業員宿舎用を含む。）
店舗または事務所用
工場または倉庫用
その他の用の区分
※店舗または事務所と住宅とに併用されている家屋は、居住専用または店舗専用も しくは事務所専用とのいずれの用途にも使用されているものとされる
ハ 機械と装置 その機械および装置の属する耐用年数省令別表第二に掲げる
設備の種類の区分
ニ 船舶 漁船
運送船（貨物船、油そう船、薬品そう船客船等をいう。）
作業船（しゆんせつ船および砂利採取船を含む。）
その他の区分
４．譲渡資産の価額と取得資産の価額との差額が、これらの資産の価額のうちいずれか多い方の価額の20％以下であること。
所得税法第５８条の固定資産の交換の特例の適用を受けるためには、資産を交換した年分の確定申告書にこの特例の適用を受ける旨の記載（具体的には、確定申告書（第三表（分離課税用））の「特例適用条文」欄に「所法５８条」と記載する。）とともに「譲渡所得計算明細書」を添付して住所地の所轄税務署長に提出しなければならない（所法58��）。
なお、確定申告書の提出がなかった場合や提出した確定申告書に必要な事項の記載がなかった場合であっても、その確定申告書を提出しなかったことまたは必要な事項の記載がなかったことについて、税務署長がやむを得ない事情があると認めたときは、特例の適用を受けることができる（所法58�ぁ法�
| このエントリーのURL |
( 3 / 3104 )Wednesday, April 20, 2011, 01:56 AM - 所得税
土地と借地権は同種の資産に該当する固定資産であるので、その他の適用要件を満たせば、固定資産の交換の場合の特例が適用される。
固定資産の交換の場合の譲渡所得の課税の特例が適用される資産は、相互に固定資産として１年以上所有していたものであるなどの要件を満たす定資産であり、譲渡資産と取得資産の種類は同じでなければならないとされる（所法５８条� 法� なお、土地（底地）と借地権は、いずれも交換の特例の適用の対象となる同種の資産に該当する。
交換の対象となる借地権（借地権割合が60％であるとした場合の60％）の価額と底地（40％）の価額が等価であるかどうかについては、その交換の当事者間において合意されたこれらの資産の価額が交換をするに至った事情等に照らし合理的に算定されていると認められるものであるときは（合理的な算定の資料としては、実勢価格、公示価格、相続税評価額を０．８で割り戻した価額等が考えられる。）、その合意された価額が通常の取引価額と異なるときであっても、所法58の規定の適用上、これらの資産の価額はその当事者間において合意されたところによるものとされている（所基通５８ー１２）。
これらの資産の価額（時価）は、相続税評価額や固定資産税評価額ではなく、通常の取引価額とされ、公示価格の水準によるものと考えられる。その交換の当事者間の合意内容が公示価格水準と大きく異なる場合は、合理的な算定であることの説明が必要になる。
当事者間で等価と考えるだけでは、客観的に等価とされないことは、所基通58-12に「合理的に算定されていると認められるものであるときは」と記載されていることから明らかであり注意が必要である。
固定資産の交換があった場合において、交換当事者間において合意されたその資産の価額が交換をするに至った事情等に照らし合理的に算定されていると認められるものであるときは、その合意された価額が通常の取引価額と異なるときであっても、法第58条の規定の適用上、これらの資産の価額は当該当事者間において合意されたところによるものとする。
（所基通58-12）
※�仝�示価格とは、地価公示法に基づいて、発表されるその年の１月１日の土地価格。
土地について自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立すると認められる価格。マーケットにおいて認められるべき価値（マーケットバリュー）に基づいて成立するであろうと認められる価格。不動産鑑定士の鑑定評価に基づき土地鑑定委員会が決定する「正常な価格」すなわち「時価」（その財産の取得のときにおいて、その財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額、すなわちその財産の取得のときにおける客観的な交換価値）をいう。
※�⊆太�価格とは、市場において現実に成立した価格。マーケットにおいて成立した価格（マーケットプライス）。「正常な価格」を含むが、売り手・買い手の思惑により、売り急ぎ・買い進み等の特殊事情において成立した異常値を含んだ価格。実勢価格と「時価」とは異なる。
| このエントリーのURL |
( 3 / 3137 )Thursday, January 6, 2011, 01:33 AM - 相続税・贈与税
甲は、建物を生計を一にしている父乙から借りて事業を開始する。
�々辰�乙へ賃借料を支払わなかった（使用貸借の）場合、贈与税の問題が生じるか。
��甲が乙へ賃借料を支払ったとしても、その支払はなかったものとされるが、乙のその建物に係る借入金の利子、固定資産税、修繕費及び減価消却費などの負担額は、甲の事業所得の計算上必要経費に算入することができるか。
�，砲弔い�
使用貸借の場合、使用権については、その価額は零となり、贈与税の課税関係は生じない（所個通昭４８・１１・１直資２−１８９）が、無償又は低廉な賃借料により賃借した場合に毎年生じる経済的利益については、原則として、通常の賃借料との差額には贈与税の課税関係が生じる（相法９条）ことになる。
ただし、その経済的利益が少額な場合には、強いてこの取扱いをしなくても妨げないとされている（相基通９−１０）。
使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて
直資2-189（例規） 直所2-76 直法2-92 昭和48年11月1日
（使用貸借による土地の借受けがあった場合）
1 建物又は構築物（以下「建物等」という。）の所有を目的として使用貸借による土地の借受けがあった場合においては、借地権（建物等の所有を目的とする地上権又は賃借権をいう。以下同じ。）の設定に際し、その設定の対価として通常権利金その他の一時金（以下「権利金」という。）を支払う取引上の慣行がある地域（以下「借地権の慣行のある地域」という。）においても、当該土地の使用貸借に係る使用権の価額は、零として取り扱う。
この場合において、使用貸借とは、民法（明治29年法律第89号）第593条に規定する契約をいう。したがって、例えば、土地の借受者と所有者との間に当該借受けに係る土地の公租公課に相当する金額以下の金額の授受があるにすぎないものはこれに該当し、当該土地の借受けについて地代の授受がないものであっても権利金その他地代に代わるべき経済的利益の授受のあるものはこれに該当しない。
相法9 一定の場合を除くほか、対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で利益を受けた場合においては、当該利益を受けた時において、当該利益を受けた者が、当該利益を受けた時における当該利益の価額に相当する金額（対価の支払があつた場合には、その価額を控除した金額）を当該利益を受けさせた者から贈与（当該行為が遺言によりなされた場合には、遺贈）により取得したものとみなす。ただし、当該行為が、当該利益を受ける者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、その者の扶養義務者から当該債務の弁済に充てるためになされたものであるときは、その贈与又は遺贈により取得したものとみなされた金額のうちその債務を弁済することが困難である部分の金額については、この限りでない。
相基通9-10(無利子の金銭貸与等) 夫と妻、親と子、祖父母と孫等特殊の関係がある者相互間で、無利子の金銭の貸与等があった場合には、それが事実上贈与であるのにかかわらず貸与の形式をとったものであるかどうかについて念査を要するのであるが、これらの特殊関係のある者間において、無償又は無利子で土地、家屋、金銭等の貸与があった場合には、法第9条に規定する利益を受けた場合に該当するものとして取り扱うものとする。ただし、その利益を受ける金額が少額である場合又は課税上弊害がないと認められる場合には、強いてこの取扱いをしなくても妨げないものとする。
�△砲弔い�
所得法５６条、所基通５６−１より、当該建物を甲の事業の用に供している部分に対応する乙が負担するその建物に係る借入金の利子、固定資産税、修繕費及び減価消却費などの負担額については、甲の事業遂行上の必要経費に算入される。
（所法56 所基通56-1）
所法56（事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例） 居住者と生計を一にする配偶者その他の親族がその居住者の営む不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業に従事したことその他の事由により当該事業から対価の支払を受ける場合には、その対価に相当する金額は、その居住者の当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入しないものとし、かつ、その親族のその対価に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額は、その居住者の当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。この場合において、その親族が支払を受けた対価の額及びその親族のその対価に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額は、当該各種所得の金額の計算上ないものとみなす。
所基通56-1（親族の資産を無償で事業の用に供している場合）不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を営む居住者と生計を一にする配偶者その他の親族がその有する資産を無償で当該事業の用に供している場合には、その対価の授受があったものとしたならば法第56条の規定により当該居住者の営む当該事業に係る所得の金額の計算上必要経費に算入されることとなる金額を当該居住者の営む当該事業に係る所得の金額の計算上必要経費に算入するものとする。
| このエントリーのURL |
( 3 / 3379 )Saturday, December 25, 2010, 01:30 AM - 相続税・贈与税
(未支給年金は相続財産に含まれない）
未支給年金とは、故人が生前に受け取るべき年金を、遺族が相続開始後に受け取るもの。年金は死亡した月の分まで支払われるので、年金は偶数月に、それぞれの前月までの2か月分が振り込まれるため、たとえば4月に死亡した場合、4月分の年金は支払月の6月に支払われることになる。この未支給の年金は遺族が請求することにより受け取ることができる。この未支給年金は相続財産に含まれず、受け取った遺族の一時所得に該当する。
国民年金法に基づく未支給年金については、最高裁が、「国民年金法第１９条１項（未支給年金）の規定は、相続とは別の立場から一定の遺族に対して未支給の年金給付の支給を認めたものであり、死亡した受給権者が有していた右年金給付に係る請求権が同条の規定を離れて別途相続の対象となるものでないことは明らかである」と判示し、その相続財産性を否定している。（最高判平０７．１１．０７）
これは、国民年金法第１９条の規定においては、同条が未支給年金の請求をすることのできる者の範囲及び順位について民法の規定する相続人の範囲及び順位決定の原則とは異なった定め方をしており、民法の相続とは別の被保険者の収入に依拠していた遺族の生活保障を目的とした立場から未支給の年金給付の支給を一定の遺族に対して認めたものと解すべきことを根拠とした判断。
国民年金法 第19条第1項（未支給年金）
「年金給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかつたものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の年金の支給を請求することができる。」
※厚生年金法第３７条１項の未支給年金の規定は、国民年金法第１９条１項の未支給年金の規定と同様の法律構成によっていることから、厚生年金の受給権者が死亡しその遺族が支給を請求し受領した未支給年金も相続財産には該当しないと考えられる。
（遺族の一時所得として課税）
未支給年金は、所基通34-2に規定により、未支給の年金給付を受けるべき遺族の一時所得となる。
（相続財産とされる死亡者の給与等、公的年金等及び退職手当等）
9−17 死亡した者に係る給与等、公的年金等及び退職手当等（法第30条第1項《退職所得》に規定する退職手当等をいう。）で、その死亡後に支給期の到来するもののうち相続税法の規定により相続税の課税価格計算の基礎に算入されるものについては、課税しないものとする。
（遺族が受ける給与等、公的年金等及び退職手当等）
34−2 死亡した者に係る給与等、公的年金等及び退職手当等で、その死亡後に支給期の到来するもののうち9−17により課税しないものとされるもの以外のものに係る所得は、その支払を受ける遺族の一時所得に該当するものとする。
（参考）
高額医療費の還付金を死亡後に遺族が受け取った場合
健康保険の高額医療費の還付金を死亡後に遺族が受け取った場合は、故人の本来の相続財産として相続税の課税対象となる。
死亡、障害に関する給付は課税されない。
遺族基礎年金、遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金、遺族一時金
| このエントリーのURL |
( 3 / 3374 )戻る 進む
